土佐のはし拳王座決定戦!!「第57回土佐はし拳全日本選手権大会」
豪快で気さく、誰とでもすぐ打ち解ける男、坂本龍馬です!!
すっかり秋の風を感じるようになり、朝晩は半袖では肌寒さを感じるようになったこの頃。10月吉日、酒国・高知県では、赤箸3本を握りしめた拳士たち(土佐酒を愛する吞兵衛たち?)による「土佐はし拳全日本選手権大会」の熱戦の火蓋が切られます。
「土佐はし拳」について気になったそこのお兄さんお姉さん、10月11日(土)午後、高知市桟橋通りの高知県民体育館に見に来てみんかえ?
土佐はし拳全日本選手権大会の様子
「土佐はし拳」とは、土佐のお座敷遊びとして行われるもので、双方が3本ずつの赤箸を隠し持って向かい合い、前面に突き出した手に持つ赤箸の合計本数(自分のものと相手のもの)を威勢よくリズミカルな調子で当てる競技です。
ルールは、合計本数を当てるという非常に単純なものですが、一筋縄ではいかないのが土佐のお座敷遊び。先手・後手を間違えてはいけないのは基本中の基本であり、さらに先手は「3本」としか答えられず、後手は「1本」または「5本」としか答えられないという独特のルールがあります。
3本勝負で行われ、2本先取が勝ち、負けた方が盃を飲み干さなければならないため、酔いがどんどん回り、考えるのが難しくなるのもこの遊びの醍醐味です。【詳しいはし拳のルール】
敗者が盃を一気に飲み干すお座敷競技「土佐はし拳」
「土佐はし拳」の由来は、詳細は不明ですが幕末の頃、高知県宿毛市の船頭連中が食事の箸を用いて数当ての博打を行っていたのが起こりで、その後金銭の代わりに盃に満たした酒を負けた方に飲ます風習に変わったと言われています。明治に入り、土佐の実業家たちが広く県下に流布させ、現在では土佐独特のお座敷競技として、無形文化財的な存在となっています。
高知県酒造組合では、高知新聞社と共催で毎年10月に「土佐はし拳全日本選手権大会」を開催。150人~200人の拳士が出場し、団体戦と個人戦をトーナメント形式で競い合います。
この陽気で、なんとも粋な土佐のお座敷競技【はし拳大会】や土佐酒文化に対する熱い思いを、高知県酒造組合理事長である高木直之氏(高木酒造㈱代表取締役)にお伺いし、土佐酒文化の在り方について静かに力強く語っていただきました。
高木直之氏:
『 「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され、インバウンド向け酒蔵ツーリズム等、酒文化について世界的には人気が高まっていますが、足元では酒米不足問題、コスト高による値上げ、酒蔵の後継者不足、現在の飲酒スタイルとの乖離等、日本酒は大変厳しい状況下にあります。
幸い土佐酒は恵まれた環境にあり、独特の文化と優れた品質、個性的な酒質等、日本トップレベルのブランドとして育まれてきました。
特に、個性的な土佐酒文化の繁栄については先人の方々がしっかりと受け継ぎ継承をしてきてくれたお陰です。オリジナル文化だから、他の地域では再現は難しいし、地方の事は地方で盛り上げていく体制づくりが必要なんです。
我々蔵元を中心に高知家全体が、土佐酒文化の伝道師となって、受け取ったバトンを次の世代へ渡すこと、それがどこにもないパワフルで魅力的な高知へと繋がっていくと思っています。
高知の元気は日本の未来へと繋がります!! 』
目前に迫った「土佐はし拳全日本選手権大会」は大相撲に例えると、いわば千秋楽。気兼ねなく誰でも自由に見学できます。
熱気とおおらかさに包まれたオリジナリティ溢れる土佐酒文化の世界へ、ぜひ遊びに行ってはいかがでしょうか。
●高知県酒造組合 高知県高知市廿代町15番1号
TEL 088-823-3558
公式ホームページはこちらをクリック☆
●「第57回土佐はし拳全日本選手権大会」
開催日:令和7年10月11日(土) 13時より開会式
開催場所:高知県立県民体育館(高知市桟橋通2丁目2番53号)