精米で変わる酒の味。こうち酒米精米工場が支える土佐の酒造り
【取り組み】えいねぇ

よさこいおきゃく支店の渉外担当「いごっそう」です。
高知が誇る「土佐酒」。その根幹を支える県内唯一の酒米精米工場が、存続の危機に瀕していたことをご存知でしょうか。
今回は、最新の原形精米技術で、地域の農業と酒蔵を支える現場をレポートします。
土佐酒を支える精米工場復活

酒米専用の精米工場は、1996年に運営を開始。高知県内13酒蔵から、酒米の精米を受けていました。
しかし、建物の老朽化などにより2023年3月末に工場は閉鎖。多くの酒蔵が自前の精米機を保有していないため、精米を県外に委託しなければならない状況に陥りました。

「このままでは、土佐酒のブランド力が損なわれてしまう」そんな危機的状況を打破しようと、「地域商社こうち」が運営に着手。同年10月に、 地域商社こうち・高知県酒造組合・JA高知県・高知県の四者が協定を締結。
″高知の米を、高知で磨き、土佐酒を造る″という「オール高知」の実現に向けて、2024年4月に「こうち酒米精米工場」として再稼働しました。
「原形精米」という新たな選択肢
そもそも精米は、お酒の雑味の原因となるたんぱく質等を除去するために行います。
従来の球形精米は、お米(玄米)の上下を削るためたんぱく質が均等に削られていませんでした。一方、原形精米はお米の形通りに長さ・幅・厚みを削るため、球形精米よりも効率的にたんぱく質を除去することができます。

そこで、元々使用していた精米機5台の内2台を四国で唯一の「原形精米機」へ刷新しました。
新たな精米技術の導入により、最近の鑑評会などではすっきりとした味わいの土佐酒が高く評価されています。
品質向上を目指した体制づくり
原形精米機に加えて新たに導入したのが「色彩選別機」です。
センサーとカメラで不良米などを瞬時に見分け除去することで、土佐酒の品質向上をサポートしています。
また、繁忙期は休日返上で稼働する一方、閑散期にはしっかり休める勤務設計に。こうした人の働きやすさも、品質を守る大切な要素です。
地域経済のプラットフォームとしての役割
現場を支える仕組みづくりは、連携強化の土台にもなります。四者協定は、農家が安定して酒米を作り、酒蔵が県産酒米を仕入れ、こうち酒米精米工場で磨いたお米で「オール高知」の土佐酒を継続的に造れるよう、役割分担と連携を明確にするものです。

こうした取り組みが評価され、地域商社こうちの親会社である高知銀行は、令和7年度「地方創生に資する金融機関等の特徴的な取組事例」に選定され、地方創生担当大臣表彰を受賞しました。

地域の農業と酒づくりを支えるバリューチェーンのつなぎ役としての役割が、全国から注目されています。
土佐酒を次世代へ引き継ぐために
「顔の見える精米所を目ざして、酒米生産者や酒蔵の声をしっかり聞いていきたい。原形精米機の増設も検討し、酒蔵の要望に応えつつ、精米工場の経営を安定させていきたい。」と、代表の竹内清彦さんの言葉には、現場を支える覚悟が感じ取れます。

2024年12月には、日本の「伝統的酒造り」が無形文化遺産に登録されて以来、世界からの注目も高まる土佐酒。
今日も工場では、一粒一粒の米が丁寧に磨かれています。こうして研ぎ澄まされた輝きが極上の一滴となり、次の世代へと土佐酒の伝統を繋いでいくのです。
こうち酒米精米工場
高知県南国市大埇甲50
取材協力/
運営会社:(株)地域商社こうち
電話番号:088-871-1184
掲載情報は取材時点のものです。現在の状況と異なる場合がありますので、最新の情報は公式サイト等をご確認ください。












